よし、ここはあの手しかねぇな。
「あ、お、おい、湊!!あそこに居るのって...御前の彼女じゃねぇか?」
湊は目が悪い。
だから俺は遠くに見える適当な女を指差してそう言ってみた。
「え!?、まじ!!??、俺ちょっと行ってくる!!!」
...フッ、予想通りの反応。
湊は嬉しそうにその女の元へと猛ダッシュで
向かって行った。
「...勘違いお疲れ様、湊君♪」
多分、俺は今かなり笑っていると思う。
そう小さく呟いては遠くなっていく湊の背中を見送って、
学校とは真反対の方向へと俺は歩みだした。
「ま、このくらいなら許されるだろう」
俺は軽い足取りでその場を去った。
この後の予定をぼんやりと空を眺めながら
考えていたら自分の背中に大きな衝撃がはしった。

