スッと女の腕から自分の腕を抜きとっては
俺はそそくさとその場を後にした。
...あれ以上あの場所に居たら
香水のしつこい匂いで可笑しくなりそうだったしな...

「朝から大変だな」
頬をひきつらせながら湊は
俺の肩をポン、と叩いてきた。
はぁ...「同情するなら金をくれ」とは
このことだな。

「なぁ、湊-...」
「ん?、何だよ?、学校サボるとかは却下だからな」

...俺の台詞を奪われてしまった
どうしてコイツはいつも俺の考えてることが分かるんだ?
長年一緒に居るからか?
まぁ、そんな事はどうでもいいんだよ。
なんとかして湊の目を盗んで逃げなければ...
全校の前でスピーチとか...絶対的に嫌だ。
教師や他の生徒に推されて生徒会長になったものの...
生徒会とか俺の伽羅じゃねぇし