『バカじゃね〜の』

親友の原直之があきれながら言った。


『うるせぇ〜よ、お前と違って俺はモテね〜んだよっ!!クソがっ』

確かに直之は、恋愛経験豊富で、今までの経験人数は軽く二桁はいくという。


『わりぃわりぃ、まぁ、お前も彼女が出来たら変わるさ』


そう言うと、直之はそそくさと帰宅した。


歩夢の通う鹿真工業高校は、生徒の95%が男子で、数少ない女子は皆メスゴリラだった。


一人ぼっちで帰宅する歩夢はつぶやいた。


『どこかにいね〜かな....俺のことを好きになってくれる女..』


ぼーっと歩いているとなにかにぶつかった、


『いてっ!』


歩夢はころんだ。


そして顔をあげると、ぶつかった相手が倒れている。

あっ!


『すいませんっ、つい、ぼーっとしてしまって』


よく見ると相手は女子高生のようだ。


相手の女子高生は、歩夢がイケメンではないことを確認すると叫んだ。


『テメー! このヤロー、ブッ殺すぞっ!』


びびった歩夢は一目散に立ち去った。