船に乗り込むとバス内が煙幕につつまれた。

瞬間に眠気に襲われ、次々に生徒達は眠っていったのだ…

船はある島を目指して進み続けた。








歩夢は目を覚ました。

「んっ? なんだここは」

当然の事ながら、歩夢の人より劣っている脳みそでは、状況が把握できなかった。


辺りを見渡すと、学校の教室のようだ…

ただ、クラスメートがみんな眠っている。

不思議に思いながらも、歩夢はとりあえず近くにいる女子に近付いた。


「んっうぅ…」

歩夢の強烈な体臭で女子は目を覚ました。

クラスのマドンナ的存在である、ミドリちゃんだ。

「クサッ」

ミドリちゃんの叫び声でクラスメートが次々と目を覚ましていった。


やはり全員状況が把握できないようで、クラス中がざわめき始めた。


そこに担任の肥塚が教室の前の扉から入ってきた。

そして、教壇に立つと口を開いた。

「え〜、皆さん、よく聞いて下さいね。
今から大事な話しをしますから」

クラス中が静まり返っていた。

当然だ。

意味不明のこの状況なのだ。

ぐぅの音もでない。

「皆さんバトルロワイヤルという、映画をご存知ですか?」

クラス中が、まさか! という雰囲気に包まれた。

「あの映画みたいに、今の根性腐ったクソガキ共を教育するために、政府が新しい法律をつくりました」

BR法(バトルロワイヤル法)

「って事でルールは解るよな?

殺しあいをして生き残った奴が帰れるんだよ♪」

歩夢が肥塚に言った。

「嘘だろ……?」


「うん嘘♪」

肥塚が事実を語りだした。

「実は殺しあいはさすがに無理だから、君達にある試練を与えます。

それをクリア出来た子のみ帰宅を許します♪」


肥塚が話し続ける。

「その試練とは…」