廃墟の空中




二階の一番端の教室、窓際の一番後ろ。
進級してからというもの、席替えをやたら嫌う担任のおかげで、私は今でもこの場所を独占している。

もう6月も終盤で、本格的な夏はすぐそこまで迫ってきているというのに、どうしてこの糞暑い中窓も開けずにゲームに熱中できるのか、一つの机に集まり顔を寄せる男子をちを横目に、すべての窓を開け終えてから私は席に着いた。

スマホを確認すると同じグループの嘉穂からメールが入っていて、どうやら朝帰りらしく、担任に適当な言い訳をしておいてほしいという旨だった。
生まれてこのかた彼氏はおろかすきな人もできたことのない私には無縁の話だななんて、ちらほら人が集まり始めた教室を眺めながらスマホをサイレントに設定し、微かにそよぐ生ぬるい風に、季節の香りを感じた気がした。