廃墟の空中



今日は絶好の洗濯日和らしい。

寝ぼけ眼のまま食卓で冷めかけのトーストをかじるあたしとは裏腹に、テレビに映るお天気キャスターのお姉さんは今日も完璧な笑顔で、日本全国の今日の一日の天気をかわいらしいイラストが描かれたパネルとともに伝えていた。

こういう朝が早い仕事の人は一体何時に寝ているのだろう。

あたしは気を抜いたら確実に重力に負けるであろう首をゆっくりまわし、もっと早く寝ればよかったと昨夜の自分を些か戒めた。

それにしても、眠い。

眠気覚ましも兼ねて、いつもは砂糖とミルクたっぷりの甘ったるいミルクティーが注がれるカップに代わって注がれた真っ黒なブラックコーヒー。
おそるおそる口に含むと、慣れない独特の苦みに思わず顔が歪んだ。

「…ぅえ」

ああ、舌が。
慣れないことはするもんじゃないと納得し、あたしはすぐに冷蔵庫から取り出したミルクをカップギリギリまで注ぎ足してみたものの、こんなんなら最初からミルクティーを淹れればよかったのにと、こんなことをしている自分があほくさくなった。

もう二度とブラックなんか飲むもんかとふつふつこみ上げる苛立ちと共に、最後の一口のトーストと一緒に、見事カフェオレへと姿を変えた憎い奴をのどの奥へと流し込んだ。