通学電車物語




かっこいいな


名前も知らない相手をこんなに好きになってたなんて自分自身、全然気付かなかった



話したことないし、接点がなかったから心のどこがて諦めてただけなんだ



ホントはこんなに気になってたのに



私は瞳を閉じて彼にキスをしようとした
でもすぐにその顔を止める



なぜなら私の手を握っている彼の手に微かに力がこもったから



そして私はその瞬間、再び思い知らされたんだ



彼の求めてるもの



それは私からのキスではないってことに



私は込み上げてくる感情を押さえることが出来なかった



「やっぱりキスするなんて…無理です…」



涙と一緒に溢れ出した言葉を止めることが出来なかった





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