通学電車物語




………
…………
……………彼女…



そうだよね
いるよね彼女

こんなにカッコイイんだもん、いない筈がないよね



自分で想像したことなのに、途端に悲しい気持ちになる



否定したいけど、否定する材料も持ち合わせていないし…



彼女がいない方がむしろ有り得ない気さえする



そう思って再び隣で寝ている彼に視線を落とす



ん!?


んん!?





なんか…
すっごい汗かいてる…


………


ああ…そっか!
ポカポカと言っても暑くなっちゃったのかも



寝てると体温上がるしね



私はそう思って、空いている方の手でカバンの中を探るとハンカチを取り出した



そして彼を起こさないように、ソッとソォ~ッと額の汗を拭う




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