通学電車物語





ああ、だけどなんか幸せ
幸せな重みだ



このまま彼女を頭に乗せたまま人生を送ってもいいぐらい



なんかいい香りするし

頬の感触が柔らかい
苺ショートケーキのスポンジだ
フワフワだ



とにかく俺は彼女を起こさないように、目だけを見開いて状況確認を急いだ



車両内は相変わらずがら空き



遠くの方にばあさんが座っているのみだ



正に2人だけの空間が出来上がっている




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