通学電車物語




俺、羽柴司は焦っていた



例えるなら、部屋に隠したエロ本がかーちゃんの手によって見つかった時のように…


いや違うな



プールに水着を履いて行ったはいいが、帰りに履くパンツをウッカリ忘れて行ったように



いやこれも違うな



と、とにかく!



うっかりポカポカ陽気に照らされて寝てしまった俺



そしてこともあろうか、彼女の肩によっ掛かって寝ちまったらしい



そこまではわかる!



だけどその頭の上に、どうして彼女の顔がのっかってんだ?



まさにファンタジー!

いやイリュージョン!