「主従関係は止めて欲しい。
私の一番最初のお願い。」
蓮華は僕にそう言って微笑んだ。





「分かりました。」
僕は答えた。





「敬語も。止めてね。」
後から付け加えるように蓮華は言った。





「分かった。」
僕はすぐに言い直して蓮華に言った。





蓮華の表情はどことなく
穏やかでそして安定していた。





「柘榴お家何処??」
蓮華は僕に聞く。





僕は生命の樹を指さして言った。
「僕の家はあそこにあるんだ」
と。





「そっか、そろそろ帰るね!」
蓮華はそう言って歩きはじめた。





僕は何も言わず蓮華について行った。





「どうしたの?
柘榴はお家に帰らないの??」
蓮華は僕に問いかける。





「僕は獣の掟で契約した相手の家に
連れてってもらわないといけないんだ。」
僕はその質問に答える。





「柘榴のお家あれじゃないの??」
蓮華は生命の樹を指さして僕に言う。





「あれは契約する前までの僕の家。
契約後は契約者の家が僕の家。」
僕は言った。





「じゃあ、蓮華の家に来るの??」
蓮華は聞く。





「家の中に入るのがいけないのなら、
外に生えている木に登って
そこで休眠などを取るから
家じゃなくても大丈夫だけどね。」
僕は答えた。





「じゃあ柘榴家に来るんだね!
わ~い!!」
蓮華は何故か分からないが
とても喜んでいた。





その喜ぶ姿を見て
僕にも不思議と笑顔が溢れた。















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