樹とは大学も就職先も違うが、近いところにあり、会うにも不便しない距離に居る。


大学の時なんて暇さえあれば、うちの大学へ迎えに来てくれていた樹。

高1の時にはあった子どもっぽさも、年を重ねる事に大人っぽさへ変わり、

しかし人気は衰える事無く、高校時代は勿論、大学でも社会人になった今でもモテるのは変わらないようだ……。


寧ろ、『高校』という枠を外れた事により、もっとモテるようになった。




………ほら、隣のテーブルの若い女性2人組も…樹をチラチラ見ては頬を染めている。





そんな彼が数年に渡り一緒にいて、目の前で笑ってくれてるのは、とても嬉しくけど、



ヤキモチも妬くし、不安にもなる。




9年も居れば、そんな考えが樹にすぐ分かってしまうのか…


そっと手を繋いで、優しい目で私を宥めてくれる。