暇だな~…なんて考えていると、目の前に紙が置かれた。
それは、隣の朝倉君がテーブルで滑らせて置いたものだった。
紙には、少し癖のある字で『つまんない?』と、書かれていた。
朝倉君の字…始めてみた。
シャーペンを出して、朝倉君の字の下に『暇だな~って思ってた』と書いた。
いつもより数倍丁寧に。
そのままテーブルにスライドさせながら紙を返す。
こういう、つまらない授業中のやり取り、朝倉君と同じクラスじゃないとできないと思ってたから、何だか嬉しい。
朝倉君がまた何か書いて、私の前へ紙を置く。
『じゃあさ、テーブルの下から左手貸して』
……?
テーブルの下?
私は、不思議に思いながらも、テーブルの上に乗せてた左手を、テーブルの下へ入れて、朝倉君の方へ持って行く。