『凶器は鋭利な刃物のような物で…』


「へえ」

気付いたらそう、言葉が出ていた。


じゃあ、血がたくさん出たのだろうか。
その切った箇所が首とかなら、本当にスプラッタ並みだろうな。


血を浴びる事も出来そうだ。
…なんて、どっかの王妃じゃないんだから。


そんな事を考えながら俺はご飯を食べ終えると、出かける準備を始めた。


そして、いつもの様に家を出ると公園へと向かう。
今日は先にベンチに藤井さんが座っていた。


「ちは」

「ちは」


簡単に挨拶を交わす。
藤井さんの横に俺も腰を下ろした。


「今日はどーしたいの?」

昨日、秘密とか言っていたからな。
まあ、何て言われても驚かないけど。


「今日はねえ」

間延びした言い方をして俺を覗きこむと、藤井さんは笑う。


「遠出しよ!」

「…………はあ?」

やっぱり、藤井さんは理解出来ない。


驚かない、そう思ったばかりなのに。