それから藤井さんは時間まで目一杯ケーキを平らげていた。
最後は大分ペースも落ちていたけど。


俺に藤井さんは本当に食べなくていいのって何度も聞いて来た。
だけど、藤井さんが食べてんの見てるからと言って何度も笑い返した。



「今日はこれだけでいいの?」

食べ放題のお店を出た後、俺がそう尋ねる。
外は既に暗くなっていた。


「いいよ、今日はあれだけケーキを食べられたから満足!」

「そう?ならいいんだけど」

「あ、ねえ。明日なんだけど」

「うん」

お店から、あの公園へ自然と俺と藤井さんは向かう。



「居酒屋行きたい」

「は!?」

まさか、そんな事を言うだなんて思わなくて俺は思わず声を上げる。


「だって、お酒飲めないまま終わるなんて嫌じゃん」

「そうかもしれないけど…」

「死ぬのは絶対何だから、さ」

「…………」

切なげに藤井さんはそう呟く。

また、その横顔にきゅっと胸が痛くなる。


あ、またこれ。
なんだよ、本当に。