ネクロフィリア【加筆執筆中】

「あ、そうだ。
昨日の帰りね、剃刀買っちゃったんだ」

「へ?」

間の抜けた声を出す俺に、藤井さんは笑う。

「へ?じゃないよ!死ぬための剃刀!」

「あ、ああ…」

いきなり吃驚した。
まあ、そうか。

新品の方が切れ味はいいだろうし。


以前、お風呂場で自分の腕を切った時も切れたけど。
新品は多分、それ以上だ。


「少し高いの買っちゃった!
いつもは何本か入ってて100円とか、安いのなのに」

「ふはっ、剃刀で高いとかあんの?」

「うん、あるんだよ。これが。
私も知らなかったから吃驚した!
だって、切る時何度も切りたくないじゃん」

「ああ、確かに」

その理由に俺は頷いた。

まあ、結局は痛いだろうけどね。


「そろそろ行こうか」

ベンチから立ち上がりながら藤井さんに声をかける。


「もう平気?」

「うん、休んだから平気。
あ、でもさっきみたく飛ばすのはやめてね?」

「ふふ、わかった」


それから俺と藤井さんは色々なアトラクションに乗って、気付いた時には大分空が薄暗くなっていた。