昨日からは想像できないほど、『おめかし』していたからだ。


ふわふわのスカートに、華奢なキャミソール。
その上にデニムのベストを着ていた。

髪の毛もアップにしていて、顔もばっちしメイクしている。

昨日はジーンズにTシャツだったのに。

なんていうか…。
“ちゃんとした高校生”って感じだ。



「…気合い入ってんね」

「え!?ち、ちが!」

「そう?でも、そっちのがいい」

「……そうかな」

「うん、いいんじゃない」

「ありがとう、嬉しい」

照れながら藤井さんは前髪をいじると、俺から視線をずらす。
顔が少し赤く染まっている。

なんか、藤井さんって本当に普通の女の子だな。
俺と一緒にいて楽しいのだろうか。


…俺はなんだかんだ楽しんでるみたいだけども。


「ジェットコースターと、観覧車と、メリーゴーランド乗ろうね」

「…お手柔らかに」

そう、言ったのにも関わらず。

藤井さんはあれも、これもと代わる代わる乗り物に乗って。
一時間もしたらダウンしていた。