お腹が空いて、リビングに向かい、ご飯を適当に食べて。
自分の部屋に籠る生活。


親はもう既に何も言わなくなった。
それにも何も思わなかった。



俺が変わってしまったのは、『あの日』だった。



まだ、俺が変だと自覚していないあの日。
高校に入って、勧誘されるまま入部したバスケ部の練習帰りだった。


面白いとも思えず、うまくもない俺はただ、部活をして先輩に言われるがままに練習をしていたんだ。
ただただ疲れた体を引きずりながら、俺は家路を急ぐ。



こんな毎日に意味があるのだろうか。
俺には無意味に思えてしょうがない。



俺の家は高校から、然程離れていなかった。
閑静な住宅街のマンションがそうだ。



そこは高層マンションが立ち並ぶ。
昼なのに、太陽が当たらず薄暗い場所なんかもあったりするほど。