「………そっか、俺…」


“生身の藤井さん”がいつの間にか好きになっていたんだ。


…この胸の痛みも、何もかもがわかった。
そうだったんだ。
そう、だったのか。


ああ、なんだか俺まで眠くなってきた。

段々と瞼が落ちてきて、視界が霞む。
このまま、眠ってしまって。


そして、藤井さんとあの世で会えるのだろうか。


会えたら…いいな。



それで「俺も来てごめん」って言ったら、「何で謝るの?」って笑って欲しい。



そうなればいいな。



…そうなれば。



         【完結】
         2012.3.8