やくそく花火

そしてあっという間に一言放課後。


「花夏~!!あいつの事ずっと見てたでしょ?」

由香里はニヤニヤしながらあたしに聞いてきた。

「うえ!?バレてたの!?」

「大丈夫大丈夫。ウチが面白くて見てただけだから」

サラッと言う由香里に恥ずかしい気持ちでまた机に突っ伏した。

「そんな好きなら告ればいいのに」

思った以上に声を大きくして言った由香里に
口を塞ごうと勢いよく起き上がった。

「ちょっと由香里!!声大きいよ!!誰かに聞かれたら…」

「告るって何が?」

あたしと由香里の後ろから声がして振り向くと

そこには、少し不機嫌な顔をした太陽がいた。

「告るって、花夏が…?」

太陽がまたあたしに聞いてきた。

ウソでしょ!?聞かれてたの!?

「あれー?うちらそんな事言ったっけ?」

声の主は由香里様。

見事に太陽の質問をそらしてくれた。

「そっ…そうだよ太陽。というか、どうしたの?」

上がりそうな声を必死に抑えて、太陽に聞いた。

「……花夏、日誌の事忘れてただろ?」

手に持った日誌を扇ぎながらあたしを見た。

そういえば…あたし今日日直だった。

日直が学級日誌を書かないといけない為

書くまで部活に行かせてもらえない。

「はぁー…ごめん由香里。先体育館言ってて…」

あたしは由香里に一言言って、先に机に座っている太陽の方に向かった。