やくそく花火


萌香ちゃんは、ぺこりと小さく頭を下げて
体育館を出て行ってしまった。

また言えなかった…。

「はぁ…。あたしのバカ」

こんな嘘ついて、相手が傷付くなんてわかってるのに

嘘を膨らまして、大きくなって割れたとき
傷付くのは誰なのかわかってるのに…。

「ちゃんと…ちゃんと言わないと」

あたしはそう呟いて職員室へ向かった




「失礼しました。」

一言言って職員室を出た。
七時半まで練習してもらえるようになったため
軽い足どりで体育館へと向かった。


ドンドン─────

体育館からバスケットボールの音が聞こえた。

あれ……?

誰か残ってるのかな?


あたしは恐る恐るドアから首だけを出してみた。




太陽………!


太陽は一人で練習をしていた。


「はぁっ…はっ…」


そんな太陽を見て、胸が締め付けられた。

みんなに上手いって言ってるバスケも

人一倍練習して

でも、どんなにキツい練習でも楽しそうにしていて…

惹かれたんだよね…