やくそく花火


「萌香ちゃん…」

後ろを振り返ると、そこには萌香ちゃんが立っていた。

もしかして…
前の協力の事かな…

ドキドキしながら萌香ちゃんを見る。

「あのぉ…。この前の事で…。」

ほらきた。
いや、当たり前か……

結局、萌香ちゃんの対応を考えていなかったから
内心焦りまくりで…。もうどうしていいかわかんないよ…。

「えっとぉ…。そのぉ…。」

さっきからモジモジしてるけど…大丈夫かな。
トイレだったりして。

「太陽先輩とぉ…あのぉ…花火大会に行きたくて」


ズキ─────

胸が痛んだ

太陽が他の女の子と一緒に…


……………

やっぱり萌香ちゃんに断ろう。
こんな気持ちで応援なんて失礼過ぎる。

「あのね…萌香ちゃん」


あたしが勇気を持って次の一言を言おうとした時

「萌香~!帰るよ!」

遠くの方で、萌香ちゃんの友達らしき子が呼んでいた。

「今行くぅ!!あっ!ごめんなさいぃ…先輩。また今度でぇ」