「…で、何人雇おうか?」


メガネをスチャと掛け直しながらフブルーベリーを食べてる尚兄。


「ん~…、まあ俺らが仕事で居ない時は結魅がご飯なんて作れないし…拐(さら)われてもおかしくないからなぁ……。

よし! 男を13人、女は3人雇おう、はい、決定!! 男に二言はない! さあ! 決まったからには明日にはその人達に荷物を全て運ばせておいて、部屋を1つずつ与えよう!!」



瑠魔兄が長い言葉をささっと言い、決定した。



「…お前はそれでいいのか?」


コソッと尚兄が耳打ち。



「何でもいいよ、私は」



ニコッと笑って返すと、


「そうか……」



と言って席を外した。



今は瑠魔兄と2人。



しーん……



いつもならお兄ちゃんが話題をもちかけて話すのに、今は真剣な表情をしている。



何かあったのかな…?




…と思った直後、瑠魔兄が口を開いた。




「……あのな、結魅。何でいきなりメイドや執事を雇うかってなったのには理由があるんだ」



「…掃除が面倒臭いからじゃないの?」



「いや、違う。……兄貴はお前にまだ言わないつもりだったかもしんねーけど…やっぱ言っとく。 実はな、俺らアメリカに映画の撮影があって長い間帰ってこねーんだ。」



「え?」