土方 羚の話をしよう。



土方家は昔、この“斎藤家”に並ぶ程のお金と権力があった。



裕福に育てられ、不満一つなかった。





しかし両親共々優しく、お節介な所があったため、面倒くさい仕事を押し付けられるなど……変なことをもってくるような危なっかしい人達だった。





それが悪夢に走り、父の一番尊敬していた人物に裏切られ、重い大金の借金が残った。



その重みを抱えるのに精一杯だった父は、家系戦争になど出られる身ではなかった。





悪い方向に堕ちる一方でまだ家を支えられていた為、誰かかわりに出ないといけないパーティーに出たのが、土方。



パーティーに出ることに抵抗があったらしい…。長男というのがあった為出たが、パーティーに最初出した時の顔は怖いくらいに形相で近寄るなオーラを放っていたが、何があったのかは不明。でも帰るときには『帰りたくない!まだここにいる!!』と言い張っていたそうだ。






この時、家に何があったのかこの時の土方には想像出来なかった。