あたし……
この人と会うの…始めてじゃ、ない…?
遠い昔……会ったような……
いや…この人…知らない……。
「…早く……答えろよ」
「………」
あたしはさっきの恥ずかしい事件(お風呂場事件)を白状することを覚悟し、ふぅ…と酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出した。(いわゆる深呼吸)
「…朝、あなたと会った後 お兄ちゃん達を見送って……その直後、女の子みたいな可愛い執事さんと会って…その執事さん、あたしの顔じーって見てたから顔に何か付いてるんじゃ…?って思って……」
「……ん」
「あたしは恥ずかしくて顔を覆ってたの……その時メガネの男の人とぶつかって……お風呂場まで走って……脱衣場の鍵が開いてて、鏡で顔に何か付いてるか確認してた時……」
「……」
「…お風呂場から誰かがシャワーを浴びてる音が聞こえたの…あたしまさかと思って…びっくりしてて体が固まってて…中から人が出てきたの…。『覗きとは女のくせにいい趣味してんな』って……もうそれから恥ずかしくなって……」
「……恥ずかしくなって脱衣場を飛び出し、自分の部屋に戻ったと?」
「……はい」
話したくなかった…。
恥ずかしいもん……!//
あたしは顔を横にそらし、目が合わないようにした。
だって、何言われるか怖いもん……。

