結魅の部屋の前についた時、



「……れ、い…?」



ほんの少し開けた目にオレが映っている。




「……分かるのか?」




結魅の手がオレの頬に伸びてきて触れた。




「…あったか、い」



そう言った瞬間、手が力無く落ちた。




「……っ」




正式に“ヴァンパイア”になる時がきたんだな。




『辛い…、辛い……。
助けて…助けて…』







「…大丈夫、大丈夫だから。」




そう言ってドアを開けた―。





* 土方 羚 *
―END―