蘭蝶Ⅱ【完】

「あなたが生まれるずっと前からこの西條家にいるからよ」


蘭「じゃあずっと西條家の家に住んでるの?」


「正確に言うならちょっと違うわね。
私は西條の血筋ってだけで、ずっとここに住んでるわけじゃないわ。
私が生きてた500年前なんてこの家はないもの。
ただ、私の子孫がここにいるから私もここにいるということ。
ちょっと難しい話しだけど、分かるかしら?
だからこの家の仕掛けも全部知ってるし、あなたたちのことも知ってるの。
桜ちゃんに蘭ちゃん。空君に総君よね」


蘭「うん。でも……」



蘭姉がいい淀んでいる


多分……


蘭「あたしたち、この家の人と血、つながってないし、ここで生まれてないよ…?」

「えぇ…。それも知ってるわ。前は高城家…にいたわよね?あなたたちが来たときからずっと見てたわ」


桜「そうなんだぁ!」


「あたしの名前は沙織っていうの。よろしくね?」


桜「うん!」

蘭「よろしく」



あたしたちはしばらく3人で喋っていた