「どうしたんだ、マヤ?」



「ひゃあっ!」



シマジリが私の顔を下からのぞき込んで来たので、驚いて飛び退いてしまった。


近いわよ!



「何を驚いてんだよ、マヤは。で、俺のことなんて呼んでくれるんだ?」



な、なんだ・・・それを待ってるのね、コイツ。
うーん、そうねぇ・・・



「・・・よし、私も“ジン”って呼ぶことにする!」




「そっか。・・・・うん、そっか。わかった。よろしくな、マヤ」




「うん、よろしくねジン!」



口に出してみると、なんだかとても言いやすいあだ名な気がしてきた。
あれ、ジン? ん~・・・どこかで聞いたような。聞かないような。
ま、いっか。


私たちは廊下のど真ん中で握手を交わす。




・・・





あれ?