スネークアイズ

斎木だ…。
マジックミラーに見透かしたような目で彦咲と目が合う。
「トントン…」
彦咲の弟分の出口がドアを開ける。
「やぁ、彦咲くん…用意はできてるかな?」
「はい、斎木さん…今月分です!」
「おいっ…。」彦咲が弟分に金が入ったアタッシュケースに目をやる。
弟分の入江がアタッシュケースを斎木に見えるよう取っ手側に向ける。
「カチッ、カチッ」
ケースの鍵を開ける…。
「ご苦労様、彦咲くん…。こちらが補充分だ。」少し笑みを浮かべ、斎木が右手に持っていたアタッシュケースを彦咲に向ける。
「お預かりいたします。」そう言い、斎木からアタッシュケースを受け取る。
「それから、こいつが今月の取り分だ。」斎木はスーツの内ポケットからビデオテープ程の厚さの封筒を彦咲に手渡した。
「それじゃあ、また連絡するよ…彦咲くん。」
斎木はアタッシュケースを部下の岡島に預け、颯爽と部屋を後にする。