スネークアイズ

中矢かをりは、新宿の自分の働いている店の前の美容室にいた。

「ん……?」

かをりは、何故か奥歯に何かものが挟まった気分になっていた。

中矢かをりは、物心ついた時には弁護士になりたいと思っていた。

憧れでもなければ、別に知人や家族が不幸で亡くなったとかでもない…。ただ、自分の目の前で困っている人を見るといても立ってもいられなくなる性分なのだ。

両親は東京は江戸川区の生まれで見合い結婚だったという。
なかなか子に恵まれず、母が40歳でやっと生まれた子供なので大層可愛がられたという。
しかし、父は71歳で末期の癌で亡くなり、その二年後に母も64歳という若さで、心臓発作で亡くなっている。
今は、代々木のアパートで一人暮らしをしている。
かをりは、野地から預かった調書を何度も不思議な顔で読み返していた。