二人で部屋に入る。

ドアを閉める音がやけに響いて聞こえた。




「これから色々よろしく」

「はぃ?」

突然発せられた彼の言葉に思わず聞き返す。

よろしくって私に言ったの?

「だからー、世話になるからな」

「あぁ、はい」

さっきから私同じようなことばっかり言ってる気が…。

この空気私にはけっこうキツいんだけど……。

「それにしてもデカイ部屋だな。俺だけならこれの半分で十分だけど」

当の神崎君は何かを気にする様子もなく、部屋を見回している。

「神崎君は気まずくないの?」

恐る恐る聞いてみると私の方を振り向いた。

「別に。なんで気まずくならないといけないわけ?」

はぃ?

この方私が告白したことを忘れてらっしゃるのでしょうか?

「だって…私の事フッたじゃない…」

「え?俺がいつフッたって?」

意味がわからないとでも言うような顔でこっちを見る神崎君。

私の方が意味わからないからね?

「だって頭の良い人が好きだって」

「それは俺の理想」

「じゃあ、私は…フラれてないの?」

「そうだね」

淡々と答える彼。

だけど反対に私の心臓はバクバクとうるさくなっていく。

「私に…まだチャンスはあるの?」

問いかける私に彼は不適な笑みを見せた。















「なぁ、黒木。俺とゲームしない?俺がお前に惚れたら負けの恋愛ゲーム…。
楽しいと思うけど?」









私はなんて人を好きになってしまったんでしょうか…。