私と彼の恋愛事情

あれから必要な物を一通り買い終えた。

けっこう買ってしまったから袋が2つ。

「あ、私こっち持つよ」

手元にあった袋を片手に歩き出した時……

「ちょっと待てよ。俺が持つからいいって」

そう言って私の手から神崎君が袋を取り上げた。

…い、い…今、手が触れてしまいましたけど…。

「そんな悪いからいいよっ」

「こういうところでは男に格好つけさせろ」

なんて不意討ちな笑顔にもう私は放心状態。

神崎君…こんな笑顔するんだ…。

帰り道の中ずっと私の心臓はドキドキと鳴りやんでくれなかった。