私と彼の恋愛事情

「あ…黒木」

腕の中にいたのは……

「神崎君、それ……犬?」

「あぁ、うん」

何で犬なんて抱いてるの?

ちょっと申し訳なさそうに神崎君が私を見る。

「帰りに捨てられててさ…可哀想だから拾ってきたんだ…」

腕の中にいる子犬はまだ小さいトイプードルだった。

「そうなんだ…」

「…やっぱダメだったかな…?」

初めて見たかも…神崎君の心配そうな顔。

そんな顔されると私は何も言えなくなる。

ズルいよね…!!

「全然大丈夫だよ。お母さん達には私が拾ってきたって言うし!」

私の言葉を聞いて、安心したように微笑んだ。

「あー、良かったー」

私は神崎君が動物に優しいってわかって嬉しいよ。