キスなんてさせない(短編)

あたしは、何も言わなかった。

健太は、「俺、帰るわ。じゃあな、陽菜」

健太は、そう言って帰って行った。

あたしが健太を傷つけた。

きっと健太は、傷ついてるよね?

でも、キスはダメなんだよ。

―次の日

いつもは、朝必ず迎えに来る健太が今日は来なかった。

やっぱり健太は、昨日の事を気にしてるんだよね。

あたしは、それが寂しかった……

お母さんは、「あら、今日は健太君来ないのね。何かあったの?」

あたしは、「別に」

と言って学校に向かった。

あたしは、1人で学校に行くのがなんか静かだった。

いつもは、「陽菜ー、おはよう」とか「陽菜、昨日な」とか
健太は、いつも自分の出来事を言ってた。

健太がいないのは、なんか物足りなかった……

あたしは、それなのにいつも「わざわざ来なくていい」とか
冷たく言った。

あたしが素直にならなかったから健太にもう飽きられたんだよね。