「あのね、健太……」

あたしは、健太に言おうとした。

でも、うまく言えない。

理由は、また振られるのが怖いから……

あたしってダメだね。

「用、ないなら行くけど」

「待って」

あたしは、健太の制服の裾をつかんでそう言った。

健太は、振り返った。

「あたし、健太に謝りたい事があって……」

「うん」

健太は、静かに聞いてくれた。

「今まで傷つけてごめんね……あたし、自分の事しか考えてなかった……
素直になるのが恥ずかしいとか本当は、好きなのに素直に好きって言えなかったり
何か健太の前でうまく言えなかったの。本当にごめんね……」

あたしは、素直に健太に言った。

えっ……? 健太は、あたしを抱きしめてる。

「続き言って……」

「もう遅いかもしれないけど……あたし健太が好き。
あたし、健太と付き合った時も素直に自分から好きって言えなかった。
恥ずかしくて……。キスも嫌じゃなかったけど、理由があるの」

「理由って?」

健太は、あたしに聞いて来た。

「実は、あたしキスすると大胆になるの。
だから、それを見られるのが恥ずかしくて……」

「よかった……。てっきり俺、嫌がられてると思った。
でも、違ったんだな」

「健太は、あたしの事もう好きじゃない?」

あたしは、おそるおそる聞いてみた。