「不良…」 「は?」 咄嗟に言葉に出しちゃって 慌てて口を手で隠した。 不良に不良なんて言うと キレるに決まってる、よね。 恐る恐る背の高い彼の顔を 覗こうと上を見上げると… 彼は予想外にも、 無表情であたしをジッと 見ていた。 パッチリと目が合ってしまい あたしは一瞬で俯く。 男の子と喋るのも、 こんな空気も…苦手だ。 二人きりは、苦手。