「大体、何で雛子が殴られなくちゃいけない訳?意味わかんないよ!!」

「声大きいよ、英璃。」


下唇を噛み締め、悔しそうな顔をする。

英璃は私が哀れで仕方ないのだ。

束縛と暴力の激しい男に、はまっているから。

それもかなり理不尽な人間に。


「あいつはさ…確かに顔はいいし、普段は優しいよ。でも」

「もういいじゃん!!私、別に英璃に助けなんか求めてないから!!」


自分でも、驚いた。

こんなに大きな声で当たった事にも、親友に強気な返事をした事にも。