金持ち女VS貧乏男

クリスマスイブ3日前。

さすがに凄い人だ。
きちんと前を向いて歩いているにも関わらず、ぶつかってしまう程。


『太郎の欲しがってたゲームソフトないわねぇ、お父さん』

と若い夫婦。

『卓哉くんに何あげるの?』
と女子高生。

『ちぇ!足りねぇ』
と、財布を覗きながら、ショーウィンドウのバックを見ているヤンキー。
帰宅途中に聞こえた、たくさんの会話。

はぁ…なんだか私だけ取り残された気分…



なんか最近ため息多いなぁ私…




『どうぞぉ~』

そう声を掛けてきたのはトナカイ。

もちろん着ぐるみの。


ポケットティッシュを手渡された。