『うるせぇよ!あっち行け!』


彼女の手前、カッコつけようとしたのが間違いだった。


『あ?テメェ、誰に言ってるんだ?』


3人の中で最も酔ってると思われる男が、因縁をつけてきた。

『あっち行けって言ってるのが聞こえねぇのか?モテない男3人組さんよ!逆に殺され――――』

バキッ!


俺が言い終わる前にいきなり殴られた。

この野郎!と 立ち上がろうとした時、他の2人も加勢してきて、俺は起き上がれないまま袋叩きにされた……。


どれくらい殴られたんだろ……。ちょっと朦朧とした頭の中で、彼女の声が聞こえた。


『やめてよ!離して!
新吾!助けて!』


1人が彼女の手を引き、どっか連れて行こうとしてるのが目に入った。


俺は、なけなしの力を振り絞り、そいつに向かって助走をつけ飛び蹴りをした。


ドカッ!



命中。ざまぁみろ!