金持ち女VS貧乏男

『ただいま~』


と2年ぶりに玄関を入ると母が出てきた。


『は~い。いらっしゃい』

出迎えてくれた母に開口一番、彼が暴走を始めた…

『私、名前を江口新吾と言います。江口の〝江〟は江戸の江。口はカタカナの〝ろ〟。――――――――で、あります。』

彼は私の顔を見て、〝どうだ?ちゃんと出来るだろ?〟と言わんばかりの顔で誇らしげにしている。

バカ…………アホ…。


母はあっけにとられた表情をしていたが、ちょっと笑って

『おかしな人。さぁどうぞ』

と彼をリビングルームへ招いた。



そして彼は同じ事を父にも説明しだした…