金持ち女VS貧乏男

『よし!お祈りも終わったし!帰るか!』


『そうだね。』


2人で出口に向かって歩き始めた。


しかし凄い人の数!
人に酔いそう…


『あ~フレンチドックだぁ~。子供の時以来食べてないなぁ』


私の言葉に彼が反応しないわけがない。
彼をみると、もう屋台の方へ歩き出していた…



私も彼を追い屋台の前へ。

『ねぇ新吾。フレンチドック食べるでしょ?
おじさん!2本ちょうだい』


彼は今にも泣きそうな表情だ。どした?


『私、砂糖にするけど新吾は?』



『砂糖』



さすがにお腹いっぱいなのかな…
私の問いかけに元気がない。


『じゃおじさん、砂糖2本で。
ねぇ新吾?あんまり食べたくなかった?』

私の問いに彼は、また話しの噛み合わない答えを返してきた。



『直美…神様はいるよ』