「じゃあ今日はこの辺で。お疲れ様でしたー。」
今日は簡単なエールだけで終わらせた。
もちろんこの後応援リーダーは打ち合わせだ。
「行こう。」
メコは頷いてオレの後を追ってくる。
「大丈夫なのか?」
会議室へ向かいながら聞いた。
「・・・ごめんなさい・・・・・・。」
「あんまり気にするなよ。まだ始めたばっかりだしさ。次があるじゃん。」
「・・・・・・。」
「メコ?」
立ち止まった彼女。
「いつも・・・そう思ってた。・・・・・・でも、いつもダメなの。・・・わたし、人前が苦手で。つい上がっちゃって・・・。委員長になったのも、これを機に変わろうって思ったからなのに・・・。やっぱり、無理なのかも・・・。」
「・・・苦手なものなんて誰にでもあるよ。」
数週間前のユズを思い出す。
「でも・・・わたし・・・。」
誰だって変われるんだ。意志があれば。
そこでオレはあることを思いついた。
「打ち合わせが終わったら、被服室に行こう。」
「被服室?」
怪訝な顔をする彼女に笑いかけた。
「大丈夫。あそこは【女子のための】場所だから。」
メコは相変わらずよくわからないようだった。


