「あのあの・・・誰もやらないとなると、クラス委員が強制的にやらないといけないんです・・・。」
委員長が困ったように言った。明らかに彼女は体育会系という感じではなかった。
しかし、
「俺委員長がやればいいと思いまーす!」
クラスの男子の一言で
「うん。そうだよ。」
「渡辺さんだったら絶対大丈夫。」
「頑張ってー。」
見るかぎり心にもない言葉だった。皆彼女に押し付けようとしているのだった。
「え?え?・・・あの・・・・・・。」
困惑したように彼女はうつむき、やがて「わかりました・・・。」と自分で自分の名前を黒板に書いた。
「じゃあ、男子の方でやりたい方・・・・・・います、か?」
正直最後の方は聞き取れなかった。
男子は誰も手を上げない。
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
「はい。オレする。」
クラスが静まる中、オレは手を上げた。


