ハルカは脱力したように椅子に座りこんだ。
「だから、何なんだよ。」
ついていけないのはオレだけ。
「バカがここにいますわ。」
「そうだね~。」
「バカっていうか、これは脳天腐ってんでしょ。」
「あ あ も う 」
叫んだのはハルカだ。
それを聞いて、チョウがふいに立ち上がった。
「これ以上、ハルカ様を苦しめるのは嫌なので。このチョウチョウ言わせてもらいますわ。」
そして、彼女は手元にあった新聞を大いに広げた。
そこには・・・
「オ、オレ・・・?」
新聞にはナオの姿の自分がいて、その横に『3番目の美女現る』とかいろいろ書いてあった。おそらくこの写真はショーの時のものだろう。隠し撮りのため視線は合っていなかった。
つまり、こういうことだ。
「お前らの力ってスゲーな・・・。」
「え?」
今まで黒いオーラを発していたハルカが顔を上げた。
「いや、だって。男のオレが三大美女に選ばれるほど、キレイに化粧してくれたんだろ?やっぱスゲーよ。」
「(そう言ってくれると思ってましたわ。ハルカ様を見てください。あの嬉しそうな顔・・・。)」
耳打ちするチョウの言うとおり、ハルカは顔を赤らめてニヤッとしていた。なんというか・・・いろいろ緩んでいた。
「・・・・・・あ、当たり前ね!この私が勧誘したんだもの。それくらい注目浴びてもらわないと!!
さ、いつまでも落ち込んじゃいられないわ。次のドレスを考えるわよ!」
「やっぱりハルカ様は素敵ですわーーーわたくしどこまでもついて行きます」


