「結局学校サボっちゃったなー。」

「この際カラオケでも行って遊ぼーう」


ベッドホンの隙間から聞こえる仲間の声はひどく心地良い。

そう思ったのはとても久々だった。



――自分には何をない。

うん、知ってるよ?



――自分にはこの部活しかない。
うん。それで充分だ。


自分の居場所はここだ。
少なくとも今はそれだけでいっぱいいっぱいだから。


「ユズー?早く行くわよー。」

「わたくしカラオケとやら初めてですわ。」

「マジかー。オレ歌あんまり・・・。」

「よし。カメラの準備オッケー。ナオのスクープ写真・・・ふふっ。」


仲間がいるから。
本当にそれで充分だ。