Girl's? collection 1



ハルカたちに背を向けて進む。

正直、周りの景色がよく見えない。後ろを向く時、うつむきながら歩いたから皆の表情はわからなかった。

視界がぼやける。
鼻水が出そうだ。
喉の辺りが何かでつかえたように感じる。


――グイッ。


誰かが自分の手を掴んだ。これは彼女しかいないな。


「ユズ。そんなこと、私が許すと思ってんの?私が、今泣いてる部員を黙って突き放すとでも思ってんの?」

「・・・っ。泣いてない。」


これは嘘だ。なんだか認めたくなかったから。


「うん。確かに今、あんたの顔見えないから泣いてるかどうかなんてわからないよ。これは女の直感だから。」


開いている手で顔を擦った。


「みんなユズのつらさちゃんとわかってるつもりよ。もちろん、そんなの本人のつらさに比べたら全然たいしたことじゃないけど。
でも、みんなユズのこと理解しようとしたの。そして理解した上でここにいる。その意味わかる?」


正直何が言いたいのかわからない。素直に首を振った。