「さ、早く行くわよ。Let's go!!」


ようやく騒ぎが治まって(サヨを無理やり黙らせて)、駅前の大通りへ向かう。この町では祭りは神社ではなくそこで行われる。元々駅が神社の近くにあるからどっちでやっても同じなのだ。


「はい素晴らしい思い出をたくさん作りましょうね。」


浴衣を着た人たちは皆、駅へ向かう。そしてハルカたちを見て必ず振り返る。

本人たちはまるで遠足へ出かける小学生のようなテンションではしゃいでいた。ただ町の祭りなだけなのだが、そこまで盛り上がってくるとオレまで笑えてきた。


「ちょっとー何笑ってんのよー。」

「あっ、見えたよ~。うわー屋台がいっぱい。」


オレンジ色の明かりが道を照らす。そしてその道を多くの人でごった返している。


「人いっぱいだ~。」

「迷子になんなよ。特にハルカとユズ。」

「な、特にって何よ!」

「いやチビだから。」

「大丈夫ですわ。ハルカ様はわたくしがホールディングしていますから。むしろ離しませんわ。」