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「なんか、すいません。おごっていただいて。」

「いいよいいよ。たいした量でもないし。」


スーパーの帰り道。
なぜか買い物袋まで持ってもらっている。

オレ的にはそろそろ解放してもらいたいんだが。

買い物中は、おばさんたちに生暖かい目で見られた。ニタニタした目線で。
いくら正体がバレなかったからといって(バレなかったことは安心したけど)いつまでも女のままでいるのは嫌だ。


「そういえば、ナオちゃんって普段着は案外ラフなんだね。・・・・・・なんか男っぽいかも。」

「へ・・・?」


↓(ナオキの目線)







・・・・・

ヤバい自分の普段着だ。そういえば、ハルカたちの服は「早く脱げ!」って言われて、着替えたんだっけ。


「・・あ・・これは・・・・・」

「なんかギャップあるね。誉めてるんだよ(笑)」

「・・・あぁ、はぁ。」

「・・・・・・ナオちゃんってさ、彼氏とかいんの?」


それを聞いた瞬間、オレのすべきことは決まった。


「すいません」


ガサッ


無理矢理シュンタの持っている買い物袋を奪い取り、


「えっ?ナオちゃん?」

「用事があるのでこれで失礼します」


だっと走る。
まるで逃げるように。


やっぱりあれだ。
あいつ・・・あいつは・・・。


「あいつはただの女ったらしだー」