そんな時。


「あれ!?もしかして、如月ナオちゃん?」


何やら聞き覚えのある声が。
恐る恐る振り返る。


「あ、ごめん。オレ2Bの丹波シュンタっていうんだ。」


はい、知ってます。
なんて言えることも無く。とりあえず、


「は、はぁ・・・。」


とだけ言っておく。とにかくこっちは頭の中パニックで仕方ないんだ。


「オレのことはシュンタでいいよ。それにしても、これから家に帰るの?」


そんなことは露知らず、シュンタはやけにゆるんだ顔でオレを見る。ナオがオレだと気づいたら、こいつは一体どんな顔をするのだろう。見たいような気もする。


「ん?ナオちゃん、聞いてる?」

「あ・・はい。えっと・・・これから夕飯の買い物に。」

「へー偉いね!もしかして、一人暮らし?」

「えっ・・・と、まぁはい。いろいろあって・・・。」


なんだかしどろもどろになってしまった。だんだん自分が何言ってるのか、よくわからなくなってくる。


「ねぇ、オレも買い物一緒に行ってもいい?」

「はぁあ?」