「全く油断も隙もありませんわね。もはや虫けらの域ですわ。」 チョウはオレを蔑むように見た。いや、実際蔑んでいるんだろう。 「あーはいはい。わかりましたよ。いなくなればいいんだろ。オレが。じゃあもう部屋いるから。食器は流しに置いといて。」 半ば開き直って、オレは部屋へ向かった。ちなみに部屋は2階にある。 階段を登る際、一瞬だけユズと目が合った。が、すぐに逸らされた。